プリザーブドフラワー加工とは

Preserved とはフランス語で、『保存された』という意味があります。1991年頃にフランスで開発された特殊な延命のお花です。

ご存知のように、もとは本物のお花ですが何年も長持ちするように加工され、その見た目は鮮やかで色もちが良く、手触りもしなやかで生花のようなみずみずしさがあります。

加工工程の中で花粉や香りが落ちることから、贈る相手や飾る場所を問わず、水やりは一切不要という手のかからなさからも非常に扱いやすい特性を感じて頂けるのではないでしょうか。

ここで、当店のプリザーブド加工とはどんなものか、具体的にお話しさせて頂きたいと思います。
ぜひ、ご自身のお花がどのようにして変化していくのかお見知りおきください。

生花のときの色素や水分が残っていると、自然現象の”枯れる”がおきます。
プリザーブドフラワーが何年も長持ちするためには、この、枯れる現象を抑えなくてはいけないので、生花がもともと持っている色素や水分といった、自然成分を一旦抜く必要があるのです。

その工程は特殊な専用の溶液を何種類も使い、一輪あたり何日もかけて、そのお花個体の変化の様子に合わせて、液体を変え工程を進めます。

品種や、お花の色によって液体プールは違うので、同じ品種でも花の色ごとに調合し、ブレンドし、お客様ごとに液体プールをおこしています。そのため、お客様のお花の取り違えも絶対におこりません。

生花の時から保存加工完了まで全て手作業で1か月〜1か月半ほどかかり、それも気温や湿度によりプロセスが異なること、かつ、お花の生命力や鮮度などの条件との掛け算になるので、私たちも常に全力ですべての技術を駆使して尽力しております。

当店は、お花の保存加工を『皆さまの思い出や感動をお預かりしている』と捉え責任を持って取り組んでおり、眺めるたびにその日の記憶が甦るようなお品としてお手元にお返しすることをミッションとしております。

工程のどの段階も、専任の熟練職人にしかできない加減や、小さな変化の見極めが必要で、かつ代わりのきかない大切なお花を失敗ができない分野ですから、このプリザーブド加工ができるお店が全国でも数社しかないのは不思議なことではありません。

お客様たちには見えない作業が大半ですので、常に誠実な手仕事をしてお客様の大切な思い出をたしかな形に残せるよう、アミティエはプリザーブドフラワーの専門家だけで制作チームを構成しております。

加工されたお花が完成品に姿を変えるまで

当店の加工場は鹿児島県薩摩郡にあります。
広大な土地面積が必要であるのと何より優秀な専門の職人がたまたま鹿児島県におり、9年ほど前に出会い当店の仕事を専属でお願いするようになりました。

鹿児島では、加工工程に専念しています。
お客様応対や受付は一切行わず、毎日休みなく、お花のプリザーブド保存の工程を担っています。
お花がプリザーブドとして保存されたら、一輪ごとのとても丁寧な梱包をしてプリザーブドフラワーとなったお花が本店の静岡に送られてくる流れです。

鹿児島の加工場には加工職人たちだけがおります。
生花の状態、品種や色を見極めてお客様ごとにお花を管理し、最大限の美しさで保存することにコミットしています。


静岡の本店には、プリザーブドフラワーの資格を有しオーナー小田賀子のもとで修行を積んだ自社のアレンジ専門の職人がおります。
平均して10年以上のキャリアのあるプリザーブドフラワー専門の制作メンバーです。

プリザーブドフラワー専門のメンバーとは、
○プリザーブドの歴史や文化を理解
○品種やサイズごとに処理を判断
○外れた花びらの複製技術がある
○基礎から学びデザイン性が高い
○プリザーブドフラワーを毎日制作
○できるまでやる、出来ないことはない

このような制作チームですのでお花をきれいに残すことはもちろんですが、配置やバランスなどの感覚に優れておりデザイン性の高い作品をお作りすることができます。


本店で行うのは、具体的に、一輪ごとのお花の補強作業、10年の耐性チェック、オーナー指示のもとお客様ごとのデザインがメンバーに共有されます。
デザインのミーティングや、材料の選定、補充作業、制作全般、梱包、配送についてすべて、本店のアトリエ一ヶ所で行っています。

そうすることにより、一定の基準を厳しくとも守りぬくことができ、オーナー監査を通らない作品がありません。
デザインの細部だけでなく、そのお花の特徴に合わせた処理、お客様のご意向や背景、お好みなどの共有、そのお客様の考え方や思いを全員で把握できるので、制作作業はこれからもずっと、本店一ヶ所で行い続ける考えでおります。


プリザーブドフラワーの制作はお花を使った工作作業ではありません。
思いを形にする、見えない大切なものをたしかな形に作り上げる繊細な技術職です。
プリザーブドフラワーを専門にする私たちが日々、一度たりとも惰性や単調作業にならず一球入魂できるのは、お客様たちそれぞれに人生と思い出があり、大切な記憶を留めたいという願いがあるのを知っているからです。

お花をお預けされたお客様たちはきっと
“私のお花、今頃どんな状態なんだろう”
“今ごろ、どんなふうに扱われているんだろう”
とご心配になることが多いのを、関わったこれまでのお客様たちから教わりました。

お花が工程を進んでいる間こそを楽しみな期間としていただけるよう、余すことなく私どもの作業への姿勢や考え方、全体の流れなどを公開させて頂くつもりで書かせて頂きました。

皆様からの信頼とご期待にチーム全員でお応えしてまいります。